読書記録:『長生きできて、料理もおいしい! すごい塩』
減塩ブームに一石を投じる本。
著者曰く、「減塩は不要」である。
体に良い塩とは
まず、塩と言っても大きく分けて2種類あります。
- 天然塩
- 精製塩
この本で推奨されてるのは、ミネラルが剥離されていない天然塩です。
なぜ天然塩が体に良いのか
天然塩(海塩)に含まれるミネラルバランスが、人体のミネラルバランスに似ているから。
これはとても興味深い。
万人がおいしいと思う塩分濃度が、体液と同じ塩分濃度の0.9%な事といい、こういった相関関係は本当に不思議で面白いです。
カントンの犬
生物と塩のミネラルバランスの共通性について象徴的だったエピソード。
フランスの生物学者ルネ・カントン。
彼は「生き物が患う原因は全て、ミネラルバランスの乱れにある」と考えたとか。
カントンは病気になった自分の犬に、なんと薄めた海水を注射。結果、犬は元気になったと。
しかもこれ、人に試して(!)それも成功してるみたい。
体に悪い塩
対して、精製塩は悪い塩とされます。
本当の意味で「減塩」すべきはこちら。
精製塩は、化学処理されているので、成分の99%以上を塩化ナトリウムが占めます。
実際、食卓塩などを舐めると、辛いだけで旨みも何も無いですよね。
砂糖や米、小麦なども精製されたものは問題視される食品群ですが、塩もそうなんだなあ。
精製塩にはストッパーが無い
興味深いのが、「ストッパー」の話。
塩分を体が欲し、それを十分に摂取できた時。口にしたのが様々な成分を含む自然塩であれば、急にミネラル由来の苦味を感じ、それ以上体が求めなくなると。
これを著者は「ストッパー」と言ってます。
しかし精製塩はミネラルが削ぎ落とされている為に際限無く取り続けてしまうとか。それゆえ、塩分過多のスナック菓子を食べ続けてしまうと。
面白い…いや、おそろしい仕組みですね。
改めて、加工食品は恐ろしい。
お勧めの塩
さて、塩の凄さをこれでもかと語ってくれる筆者お勧めの塩は、
- 塩麹(手作り)
- わじまの海塩
- ひんぎゃの塩
わじまの海塩は自分も使っていますが、とても美味しいです。マグネシウムとカリウムが豊富なんだとか。
ひんぎゃの塩は勝間和代さんがお勧めされてたからずっと気になってて、踏ん切りがつかずAmazonのカートに入れたまま。
▲そのうち試したい!手作り塩麹…は作り方見てめんどくさ過ぎるなって😂いつかはやってみたい!
腸内環境改善、免疫力向上に役立つそう。
「選んで買う」意識が大事
この方の砂糖に関する本もとても面白かったんですが、
いずれの本も主張の大筋は「精製された物は依存性薬物と同じだから摂るな!」 というところだなと。
著者だけでなく、国境無く言われてる説だからこそ、概ね事実なのだろうなと思います。
そして恐ろしいのは、精製された物に取り囲まれたこの世界。逃げ場、無いです。
私たちは実験用のラットを哀れんでいられない。
これは他の様々な食品についても言えることです。商業ベースに乗っている食品は、「買わせること」を目的に作られています。テレビCMやポスターなどの広告も、いかに消費者の興味を引き買いたい気分にさせられるかを研究して作られているのです。
「完璧」は難しいでしょう。
それでも、関連する情報をあたり、その平均を求めて「暫定的な事実」を見定め、自分で自分の口に入る物については絶えず思考していきたいと思います。
食べるものが、心身を作る。
それを痛い程知っているからこそ、なのです。