Yota's Blog

ボディメイクも美味しいも叶える!ズボラなHSPの人生試行錯誤ブログ

2021年に読む『方丈記』の面白さ

今読んでる本の中で引用されてて、気になったので読んでみた。意外と短い。 高校の古文の授業で冒頭暗記したけど、内容はど忘れ。

元は超裕福な出自だった鴨長明。 そんな彼が世俗で色々あって嫌になっちゃって、山奥にほったて小屋作って、隠居暮らし。 そこで書いてるエッセイでした。へー!

改めて読むと非常に興味深いのは、日本最古の災害記録という側面。

平安末期の「五大災厄」

・竜巻

・火事

・遷都(の失敗)

・飢饉

・大地震

についての記録が、生々しく綴られている。

長明は、都市の災害に対するリスクの高さ、明日無くなるかもしれない家財をせっせと蓄え込む人間の愚かな習性、民草を踏み躙る身勝手な権力者達を批判する。

他方で、とてつもない災厄が起こったとして甚大なダメージを受けてもなお、人々の記憶は時間が風化させてしまう事にも言及。 耳が痛い内容です。

はるか昔であれ、人間が沢山集まる都市というシステムそのものに、欠陥がある事は分かっていた。 今まさに自分がその渦中に居るからこそ、苦々しい気持ちで読んだ。 長明はそれを冷静に見抜けた人だった。 今これを読んで良かったなと思う。

ちなみに後半は、嫌な俗世を捨てて! DIYした小さい庵に、大好きな楽器と書を持ち込んで! ストレスフリーなミニマルハッピーライフ!最高! 山、何にもないから、もはや不味いもんですらウマイ!

って感じではしゃいでて楽しそうなんです。

穏やかで朗らかで、地味ながらも幸せな日々。 このまま念仏唱えて穏やかにスッと成仏…

という風に終わらないのがまた、面白い。

カッコつけてないあのラストがあるからこそ、数百年前の1人の人間の存在をリアルに感じられる。