読書記録:『正しさをゴリ押しする人』
Kindle Unlimitedから。
図星っていうのは、いつだって辛いね。
しかし痛みの後には学びがあるもの。
そもそもこの本を手に取ったのも、自分に心当たりがあり過ぎたから。
〈要約〉様々な要因で認知が歪んで攻撃性を持った人々が、「正義」の名の下にやりたい放題する「正しさをゴリ押しする人」になるという内容
今回ちょっと感想長くなりますが、自分の為に覚え書きとしておきたい。
ちょっと自分の事に引きつけて書きます。
↓
大前提として
正しい事を言う行為自体は勿論悪い事ではなくて、問題は現実でうまい事処理出来なかった正義感を自分の中に鬱憤として溜め込んで、それを発散したいが為に落ち度のある何かを見つけ、異様な攻撃性を持って叩くこと。これでは「危険な人」になってしまってる(例:ネットリンチやクレーマーなど)
●ゴリ押しする人の特徴
・自分の価値判断を絶対視している(認知的複雑性が低く、物事を多角的に見れない為)
・人の気持ちや立場に対する無関心
・コミニュケーションの相互性の欠如
・自分は特別だと思っている
・親しくなると極端に遠慮がなくなる
・他人をコントロールしようとする
・欲求不満で攻撃性を持ち、文句が多い
・批判、疑問、提案をされたり、頼み事をされると逆上する
・理屈が正しくとも、異様に感情的
・人に対する評価が極端に変わる(認知的複雑性が低いので)
・他人の成功に落ち込む、他人の幸せに苛立つ
・対抗心が異常に強い
・腹立たしい相手を関係性攻撃で追い詰める
・悪者を叩く事に異様に執念を燃やす
ヤバい。ヤバ過ぎる。
何がヤバいって、自分がこうなってた時が少なくなかったんです…よ…ウッ(白目)
それだけでもこの本を読んだ価値があった。
目から血が出そう。
また、「ゴリ押しする人」は正義の味方であるという自己陶酔があるらしく、その裏にはメサイア・コンプレックスを孕んでいると。
「ユング心理学者河合隼雄は、メサイア・コンプレックスに動かされている人は、他人を救いたがる傾向が強く、不必要に助けようとしたり、同情したりするので、とにかく「ありがた迷惑」という言葉がピッタリと当てはまるという。 」
…これ読むとしんど過ぎて、自分は人と関わるのやめた方が良いのかなって思っちゃうね。
人間社会で生きていくと覚悟した以上、そんな逃げには安住しないけども。
困ってる人を見ると助けたくなる気持ちが強い方だなとは思うんだけど、距離感の計る力も人の心への想像力も低い段階で、自分が声かけるのは迷惑なのかな。
河合さん、どうなんでしょう。
あと『ユング心理学入門』読みかけ放置しててすみません…。
生きるのがうまくいかず長年迷走し、かなり負のエネルギー溜め込んでて、常に臨戦態勢だった私。
しかしこの
「認知的複雑性の低い人が如何に人間的に浅いか、愚かしいか」
という話を1冊かけてたっぷり語られると、もうそんな自分にならないようにセルフモニタリングと勉強で良くなる努力をするほかないな…と思わされる訳です。
挙げられてる実例の数々は耳が痛いものが多いけれども、同時に反面教師になってくれます。
過去のやらかしや自分の愚かしさを受け容れるのはつらい。今も気付かずやってる何かがある可能性も否定出来ない。
しかしながら知れて良かったのは、こういう心理状態になるのって割と人間あるあるなのだなと。自分特有の人格異常だと思ってたから。
「正義の人」が「危険な人」に変わるきっかけには認知の歪みがあり、認知の歪みは疑い深さや自信の無さから生まれると。
認知の歪み…これは敵意帰属バイアスと言う。
「他人への不信感が強すぎるとき、相手には何の悪意もないのに敵意帰属バイアスが生じ、勝手に敵意を読み取り、反撃に出たりするのである。」
…(挙手)
「生い立ちなど人生経験の影響で疑い深い人や自信のない人は、敵意帰属バイアスによって認知が歪む可能性がある(略)」
グサッッッ
考え方が歪んでるってこれまで何度か言われてきたけど、今なら分かるような気がする。
「認知の歪み」を正すには、これまで避けてきた読書、そして人と関わりを持っていくのが薬になるのだろうか。
我ながらとんでもない人間だった(である)のに、ホントよくまだ友達や仲良くしてくださる方々が在ると思うよ…(そんな皆様の寛大な心には日々感謝してます)
良くなっていきたい。変わっていきたいね。
改めてそういう気持ちになれる、辛くとも良い本でした。
『嫌われる勇気』読んだ時並に心から大出血…(笑)
おすすめです(with 血まみれの笑顔)